戦国女士blog

戦国大好きな歴女子が、歴史探索をしてきた記事を載せてます(・∀・)

"赤かべの城" 苗木城の昔話

苗木城にはこんな昔話が残っています

木曽川が左に曲がって渕がある
底もわからない深い渕だ
昔そこに竜がおった

その竜を見た人がおると言うが、その人の話によればこうだ
二日も三日も槍のような雨が降り続いて、それはやっと小雨止むと川の上に霧が立ち込める
川の幅いっぱいに霧が立ち込め、それが川の形のままうねっておる、川も白い竜のようじゃが、そこから出し抜けに白い竜巻が起こって空に登った。それがほんと竜じゃった、銀の髭の突っ張った竜の顔も見えた
竜が白い尻尾で川の水を叩くと水が又逆巻き霧の中を吹き上げる、ほんの僅かな合間だったが、俺は確かに竜を見たとその人は言う
その渕を見下ろす山の上に苗木城がある
その苗木城を作った時の話じゃが、殿様は初めお城の壁を白く塗らせた
出来上がった城が山の上で白く輝くように見えた時、殿様は「良い出来栄えじゃ、気に入ったぞ」と、喜んだ
ところがある夜酷い嵐が吹きまくり、あくる朝見ると他はどうもなっておらんのに白壁だけがすっかり剥げて元の赤土色になっていた
殿様は早速白く壁を塗り直しましだが、その日の夜又酷い嵐が吹いて、あくる朝見ると白い壁はすっかり剥げ落ちて又元の赤土色になっていた
はてな?」殿様は首を傾げたが、気を取り直して又々白く塗り直した
どうじゃ、又その夜嵐が吹き、朝見ると赤土色の壁になっておる
「こりゃおかしい、何か訳があるに違いなかろう、そうだ与三郎を呼べ」
与三郎というのは苗木城下での物知りだ。与三郎さに聞けばこの世でわからなぬ事はないと評判のお爺さんだ
殿様が一部始終わ話すと、与三郎は首を傾げて考えておったが「そうですな白い色がいけないので御座います」
「何故に白がいけないのじゃ」と、殿様は聞きます
「殿様は若くて昔の事をご存知の無いのは最もで御座いますが、この辺りでは馬でも犬でも白いのを飼いませぬ」と、与三郎
「それは又どうしてじゃ!」と、殿様
天正の頃、ご先祖様の遠山殿が戦に負けて岩穴に隠れておられました時、白い犬が鳴いて敵が攻めて来た事を知らせました。又その時、何処からか白い馬が現れ、遠山殿をお乗せし、それでもって難を逃れられました」と、与三郎
「うむ」と、殿様
「それに、城下を流れる木曽川に住んでおります竜も白う御座います。竜神と同じ色ではどうかともぞんじます。世間では竜神の祟りやと言う者もおるくらいで御座います」と、与三郎は話ました。
殿様は暫く考えていたが、主な家来達を呼び、壁を白くする事は止める事に決めた
苗木の山の頂上の二つの大きな岩に跨り四巻四方三層の屋根を持つ天守は、それからずっと白壁になる事は無かった
その方が飾り気のない苗木の衆の気っぷによく似合うのであった
城は取り壊されたりして、今は城跡があるだけだが、石段と石垣が昔の形をそのまま残しておる
苗木城は、赤壁城、高森城、とか霧が城とか、名前が色々ある 

実は遠山殿が隠れた穴ってのは現実にも有るのです

 

昔〜し昔のお話でした

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